歯のある女陰の女を買いにいらっしった。ええ、そんならまさしく妾のことです。それにしてもまたずいぶんと物好きなお客さんでいらっしゃる。誰からそんな話をお訊きなさったかなんて野暮なことは訊きゃしません。妾のおまんまの種ですから。ほほ。今後もどうぞご贔屓に。
 そんでもお客さん、騙されたと言われちゃ敵いませんから先に白状しちまいますけど、妾のヴァギナ・デンタータは本物じゃアございません。手術? 手術なんかしやしませんが、妾の名物は妾のじゃなくて妹のもんなんで。妹の口腔なんで。ほほ。
 妾と妹はそりゃア仲のいーい双児で、仲がよすぎて妹の体は生まれたときから妾の体内にほとんど埋まってるんですわ。かろうじて外に覗いてるのが口で、よっく探せば鼻の穴があるのも判るんですけど、そう、その太腿のあたりの、ああ、あんまり触るとくしゃみが出ちまう。ほら。今、女陰から舌が覗いた? そりゃ女陰じゃなくて妹の口なんですから舌くらいありますよう。ほほ。
 だから正確には尺八になりますけど、何、妹はうまいですから大丈夫。きっとお客さんにもご満足戴けますからに。
 妾の女陰? 妾のはそれ、妹に押しやられてこっちに付いてますが。臍、臍にしちゃ立派すぎるでしょうに。こっちがよけりゃ使ってくだすってもかまいませんよ。ただ妾の女陰のすぐ奥には体内に埋もれた妹の手がありますから正確には手淫になりますけど、何、妹はうまいですから大丈夫。
 ほほ。